某批評本に対抗して作りました(笑)。ファンのみなさんにサザン関連の楽曲についてレビュー(批評)していただき、全曲制覇を目指すコーナーです!レビュー対象は音源化されたサザン・ソロ名義の全楽曲です。これを見て聴いてみたくなるような、愛のあるレビューお待ちしています♪ディスコグラフィーとしても使ってくださいね〜(^_^)v
♪●◇♯♀たくさんのレビューお待ちしています♂◎◆△★♭
キラーストリートは私がサザンファンになって初めてリアルタイムで出たアルバムです。そして、初めて「時代」と「音楽」を同時に体感できました。
このアルバムは、今までのサザンのアルバムのどれよりも暗いと思います。さくらの比じゃないです。
一曲目にあたるこの歌を聴いたときの衝撃は、忘れられません。今まであった青く光る海はもうどこにも無く、今あるのは乾き切ったどこまでもつづく砂漠だけ。
仮タイトルCSN&Yというのも皮肉にしか聞こえません。先人たちが想像した未来はどこにも無く、現実に魂は解放どころか未だ地を張っています。平和という来るはずもない世界など歌えず、ただ言えるのは、「愛しい人の手を握り締め、笑いながら瞳を閉じたい」という、ささやかな願望だけです。「死ぬのが誰だろうと・・・」という捨て台詞も、胸にきます。
この曲はサザンの社会風刺曲の最高傑作だと思います。
最後に、"からっぽのブルース"というのは日本音楽界の現状でしょうか、それとも自身の作る曲のことでしょうか?
この曲はタイトルにあるとおり、ジャックスの「からっぽの世界」にインスパイアを受けています(「マンピーのG☆SPOT」にも、たぶん本当の未来なんてからっぽの世界と引用されています)。このアルバム自体が30曲を使って死生観が表現されています。この曲では極めて現実的な死の表現がなされています(「マンピー」では美輪さんの曲のタイトルより、メケメケの世界とあるように幻想的な死後の世界も描かれているのが、桑田さんらしいです)。
このような曲から始まり、「限りなき永遠の愛」で美しい死を歌い、中締めをし、二枚目の冒頭「ごめんよ僕が馬鹿だった」で、未来の死よりも、現在の生を謳い、そしてラストの「ひき潮〜Ebb Tide〜」で死からの再生を誓い、死生観から解放される有終の美を飾ります。桑田さんにとって、このアルバムは、サザン、そして自身にとっても次のステップに行くための必要な作品だったのではないでしょうか。