某批評本に対抗して作りました(笑)。ファンのみなさんにサザン関連の楽曲についてレビュー(批評)していただき、全曲制覇を目指すコーナーです!レビュー対象は音源化されたサザン・ソロ名義の全楽曲です。これを見て聴いてみたくなるような、愛のあるレビューお待ちしています♪ディスコグラフィーとしても使ってくださいね〜(^_^)v
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歌手名 | サザンオールスターズ |
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発売日 | 2008.8.6 |
作詞 | 桑田佳祐 |
作曲 | 桑田佳祐 |
編曲 | サザンオールスターズ |
収録Sg | I AM YOUR SINGER |
メンバー | 斎藤誠(Electric & Acoustic Guitars)/片山敦夫(Keyboards)/山本拓夫(Brass Dubbing Adviser)/西村浩二(Trumpet)/角谷仁宣(Computer Programming) |
提供 | au「LISMO」CM曲 |
解説 | サザン53rdシングル 歌詞はこちら(公式サイト) |
♪●◇♯♀たくさんのレビューお待ちしています♂◎◆△★♭
差し歯というのは嵌め込んでから暫くの間、何か違和感があって完全に自分の歯として機能するまでには幾分時間が掛かる。
この曲を初試聴したとき単調なイントロ、味気ないエフェクト、捻りのない素人的な歌詞、どれを採ってもこれが節目の集大成とはあまりに陳腐で盛り下がる曲だと思った。
レコーディング中、桑田は風邪を引いたと言っていたが、だからというわけではないが声にエフェクトを掛け『ラジオ・スターの悲劇』のようなボーカルになっているが、しかし連日MTVなどいたる所で小耳に挟むうちに初めは気になっていた差し歯的エフェクトが全く違和感なく受け入れられるようになってきた。
鋭角的なものは全て削ぎ落とし、詩・曲ともに剥き出しの玉葱のような又はリンスなしの朝シャンのような爽快感も感じられてきたが何分暫しの別れをストレートに歌っているだけに聴けば聴くほどに切なさ迫る仕掛けがまるで桑田の罠のように織り込まれている印象を受ける。
渋谷陽一氏に言わせると「これがまた、いい曲なわけですよ」と私にすれば渋谷氏の折り紙は何よりも嬉しいが、当の桑田は「“真夏の果実2”でいくか“マンピー2”でいくかこれほど悩んだシングルはなかった」と言っている。
結果的にはその「真ん中へんを探っていた」らしいがなるほど絶妙な落とし所に嵌ったわけで活動停止宣言と相俟って切なさ倍増の曲になってしまった。
何か「互い涙を見せるのはいやだから陽気に笑ってさよなら言いましょう」と言われたような気分になる。
今の桑田にしてみたら「54枚目のシングル?、全然考えてないね!」というところだろうが、この切なさを埋められるのは54枚目かソロ・シングルしかないのも事実。
1978年『勝手にシンドバッド』でデビュー。
30年後の2008年『I AM YOUR SINGER』で活動休止。
サザンはいつの時代も、人々の心に深く刻まれる歌を作ってくれる。
勝手にシンドバッドで日本の音楽界の常識をひっくり返し、サザンは日本の国民的バンドに。勝手にシンドバッドは多くの人々の心に刻まれているだろう。
そしてそれから30年たった2008年、I AM YOUR SINGERをリリース。桑田さんのその30年間衰えない才能に、ほれぼれする。この曲を聴きながら、人々は涙をのんでサザンの活動に一時別れを告げた。
以前、『I AM YOUR SINGERは解散セールス』と言われたことがある。つまり、活動休止という大きなニュースで世間の目をサザンに向けさせ、その中で曲を出せば、絶対に売れるというものである。
これは明らかにサザン、またファンに対して失礼である。
『感謝』をテーマにしたこの曲、どこに『セールス』という言葉が存在するだろうか。すべてのサザンファンに向けられた、素晴らしい曲である。『普通』とか『サザンにしては…。』とか変な意見が飛び交っているようだが、僕は、素晴らしい曲だと思う。
歌詞を読めば読むほど、桑田さん達の感謝の気持ちが伝わってきて、涙が出そうになる。
サザンは、人々を虜にする『何か』を持っていると、このシングルで再確認した。